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決勝までの道程

2016-11-07

準々決勝

準々決勝は火曜・水曜である23,24日に行われた。

東北高校選手権優勝の盛岡商業、対するはileague(岩手県ユースリーグ)1部で4位の専大北上。
この試合、J内定のMF谷村憲一、エースストライカー花坂直人に左サイドの斉藤和樹(読みは「まさき」)と盛岡商業は前後半で21本のシュートを放つが、ゴールは生まれなかった。
そして延長突入、専大北上はCKから城澤拓弥が頭で押し込んだ。通算9本目の専大北上のシュートが、盛岡商業のゴールに突き刺さった。
盛岡商業もこのままでは終われない。延長後半シュート5本。しかしそのすべてが枠を外してしまった。

…盛岡商業、まさかの準々決勝敗退だ。

さらに遠野も盛岡中央に攻め込みながらの敗戦。こちらも遠野がデータ的に上だったが、盛岡中央のサイドからの一撃に沈んだ。

盛岡市立は無難に江南義塾盛岡を倒し、花巻東も盛岡北に力の差を見せつけた。

準決勝

準決勝は28日に行われた。ただ、この日はあいにくの雨。

第一試合は花巻東VS専大北上。
立ち上がりは花巻東のペース。2年生のエース高橋魁皇が積極的にゴールに迫る。
結果、14分のCKから先制点。これはさすが魁皇、というゴール。
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その後一進一退、意地の戦いが続くが38分に齋藤佳祐のゴールで2点目。

後半、専大北上はいきなり切り札投入。FWの佐藤恭、彼が獅子奮迅の働きをする。

まずは城澤とともにエリアで千葉、齋藤らからのつなぎを待つ。
そこでPKのチャンスを演出したのが佐藤だった。このPKは千葉が決めてまず1点。
さらに城澤も抜け出して見せ場を作るが、ここは決められなかった。

しかし一進一退の流れの中、佐藤がドリブルでゴール前に持ち込んだ。
花巻東のGK須川と1対1の局面、ここをしっかりと決めた。これで同点だ。
その後両チームともチャンスはあったものん、勝ち越し点は奪えず延長突入。

その延長、花巻東がクロスから高橋魁皇が頭で決めた。
これで勝負あった、と思われたが、最後にまた専大北上の佐藤が1対1をしっかりと決めて再度同点。

P1010195.JPG花巻東の今松キャプテン、現3年では県下屈指のリーダーの器ではないか。

勝負はPKにもつれこんだ。専大北上は高校総体でもPKの経験があり、一方の花巻東は県下世代ナンバーワンGKと呼び声高い須川がいる。
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4人目まで両チーム決めた。そして5人目、専大北上が決めたその裏の花巻東・キッカーは小野。
ここを専大北上GK菅原が止めた。この瞬間、専大北上が決勝進出。


続く盛岡中央VS盛岡市立は本降りの中での試合になった。
盛岡中央はサイドからのチャンスメークが多い。それに対し盛岡市立は小野や川島の個人の力で攻める形か。
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そんな中、先制点は中央だった。FKが直接入り先制、というもの。

さらにFW岩田の1対1の局面があったが、ここは決められなかった。先の試合の佐藤恭の活躍を見ていたから、ここは決めて欲しかったというのが本音。
(後日Aコーチにその話をすると「見てるところはちゃんと見てるね」とのこと)

後半、市立がFW投入で勝負に出る。しかし中央に追加点だ。
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またFKから鈴木一朗のゴールだ。この鈴木は昨年の山口国体岩手県U16メンバー。意地の一発だ。

市立は小野と川島がなんとか1点、というところ。そこに中央のキャプテン下村が止めに入った。
しかしそれがイエローカード2枚という残酷な代償になった。
数の力では市立が優勢になった。しかし中央の10人の選手がそれ以上に見えない力を発揮した。雨で芝生が濡れる中で、という条件はあってとしても、中央は頑張った。

雨の中鳴り響いたホイッスルは、岩手サッカーに新たな時代の到来を告げるときの声だった。

プリンスリーグ所属校がここで全滅。この事態は岩手に限らないが、それは別の話だ。
そして私学校同士の決戦、岩手高校サッカー史上に残る大一番となりそうだ。

(了)

直前情報!

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盛岡中央高校にお伺いした。

人工芝の校庭では、3時前から生徒たちがサッカーをしていた。

そんなこんなで3時40分、一人の部員から話を聞こうとした。すると彼は数人の部員を連れてきた。
何人かに話を振ってみた。
IRV「準決勝を振り返ってください」
部員A「守備ではしっかり我慢できたし、攻撃では取れるところで取れたのでよかった」
IRV「決勝戦に向けて、一言お願いします」
部員A「とにかく勝つだけです」

私はそのあとで下村亮キャプテンに話を聞けないか、なんてしゃべると、下村キャプテン登場。
IRV「キャプテンとして、準決勝の総括を」
下村「準決勝は中央らしいパスをつないでサイドから相手を崩すサッカーができた。守備ではしっかり食らいついて、相手にチャンスを与えなかった
IRV「あの試合で警告2枚、決勝戦出場停止は残念ですが、その分みんなにはどういうことを…」
下村「やはり自分がここ(練習など)でテンションを落とすんじゃなく、しっかりテンションを上げてみんなを盛り立てたい」
IRV「でも実際、下村の穴は埋められるんでしょうか?」
下村「そこは信頼できるGK(久保拓海)がいるので大丈夫

下村の穴はみんなの力で埋めるもの、私はそう思う。

そうしているうちに、秋浜克弥コーチがやってくる。彼は私と同郷であり、中学の頃からの顔なじみだ。
「ここまでくるなんて、すごいね」と言うと、「そんなすごくないから」と彼は謙遜した。
さらに今回の快進撃の要因は「わからない」とお茶を濁したような回答。人工芝の校庭を見て私が「やっぱり人工芝の効果もあるんじゃないの?」と尋ねても、「さぁ…」という答え。
ただ、岩手の高校サッカーにおいてあの人工芝の校庭はアドバンテージになっていると思う。思えば秋浜コーチが現役時代の中央は県営サッカー場の土のグラウンドを練習場にしていた。それを思うと今の中央はかなり恵まれた環境でサッカーしていることになる。

秋浜コーチの計らいか、なんと私は校庭手前の入口で取材することができた。
ちょうと秋浜コーチが選手を集め、今日のメニューの説明をしていると、見覚えのある顔が。
加藤浩史。グルージャ盛岡の押しも押されもしないエースストライカーで、先の岐阜国体準優勝の立役者である。

ミーティングを終えた秋浜コーチ、それに加藤コーチと話をする。準決勝の○と×について、いろいろ語っている間、部員たちは「頑張ろうぜ!」と声をかけ合い、まずはうさぎ跳びから下半身強化トレーニングを始めていた。
こうした努力に人工芝+グルージャ色のコーチ…盛岡中央サッカーは進化しているのかもしれない。



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